勝ち色指導員の平井さんから、勝ち色を使いこなすということについて、とても貴重な事例が届いたのでシェアしたいと思います。
使っていたのは、13col
2019年9月1日に岐阜県で日本スポーツマスターズ2019ぎふ清流大会の競泳の部が行われました。
元五輪代表で勝ち色指導員の糸井統(はじめ)さんの声掛けで、この大会に50m自由形に出場予定のKさんが勝ち色に興味があるとのことで、勝ち色指導員の平井さんがチェックをされたそうです。
色チェックすると、ずっと使ってきた黒は13colでした。
チェック最初は「黒が弱いなんてそんなことはない」と言って信じがたいようでしたが、最後は色による身体の変化の凄さに感動していただけたようです。
1colではなく、あえて3col
その場にいたリオデジャネイロの競泳日本代表で勝ち色を使っている小長谷研二選手もいらしゃって、Kさんに「アドレナリンが爆発するレースと1colの組み合わせは力みにつながり後半バテてしまうので、今使っているゴーグルが13colだったことを考えるとレース本番で使うのは1colではなく、3colが良いと思うよ」と的確なアドバイスをされたようです。
そう言われたKさんも素晴らしい感覚の持ち主で、小長谷研二選手のアドバイスを元にアップで1colと3colを使ってみたそうですが、1colは身体が動きすぎてラスト15mバテてしまうことが直感で分かったそうです。その朝一の時点では3colでレースすることを決めたそうです。
1colを使いこなすために
ですが、昼過ぎになり、レースが近づくにつれて、小泉選手に気持ちの変化があり、1colでレースすることに決めたと話があったそうです。
平井さんがその理由を聞くとこんな答えが返ってきたそうです。
「11月の全日本社会人選手権では1colを使いこなしたいと思っている。今回はその課題出しとして使いたくて、レースプランは前半を楽に入り、ラスト15mで出力を増やすようにしたい」とのことでした。
そして、レースの結果は、50m自由形を24”34の大会新記録で優勝されました。
レース後のKさんの感想として「ここ15年(社会人)で一番速く泳げて、狙い通りのレースができて、後半の身体がよく動いてくれた」ということでした。
まだ、勝ち色を使いだしばかりなので、本当に伸び代だらけですね。Kさんもこれから色を使いながら、トレーニングしていくようです。
そして、11月の全日本社会人選手権ではしっかりと1colを使いこなしていると思います。
勝ち色で自分の泳ぎを磨く
勝ち色は、上位のゴーグルで最高のパフォーマンスを出せるのがいいですが、ただ上位のゴーグルを使えばOKというものではなく、今の自分にとって自分の身体をしっかりとコントロールして、最高のパフォーマンスにつなげられるのがベストです。
小長谷選手のアドバイスの中にもありましたが、ただ1colだけを使うと、力んでしまったり、バテてしまったりと本来の自分のパフォーマンスではなくなってしまいます。そいうやって、課題出しをしながら、自分の泳ぎを磨いていくということが勝ち色の本当の使い方なんです。
今の現状で、自分自身の身体をしっかりとコントールできて、しっかりと泳げる色を使いながら、最終的に1colで最高のパフォーマンスを出せるように練習の中で磨いていき、使いこなせるようになれる。
この段階をしっかりと順を追っていくことがとても大切です。