大切な試合、大事なレース、結果を求められる大一番。
緊張しない人、楽しめる人ってなかなかいないと思います。そして、結果も良くなかったときにあぁすれば良かったとか、なぜ出来なかったのかと、後悔をすることが多い経験ないですか?
場数を踏んでいるトップの選手でも、よくインタビューでガチガチになったり、落ち着かずそわそわしたしたことがあると話していたり、実力不足だと話していたりします。
逆に、そんな大一番の舞台を楽しめたり、わくわくしたり、笑顔で迎えている選手もいます。そして、そういう選手ほど、結果を残せていたり、結果は思ったものでもなくても内容やその結果をしっかりと受け止めて納得して、自分の実力を出し切ったという雰囲気が伝わってきます。(本当は結果ができずに悔しい思いはしているはずですが)
ここの違いなんだと思いますか?
練習量?
努力の方向性?
運?
相性?
ずばり、感覚が育てられいるか、その感覚を信じられるかどうか。もっと言えば、今の自分を信じられるかどうかだと思います。
「よし、やれる!」
この準備をやり尽くして、そう思えた時。
緊張や不安に押しつぶされない本当の自分になれるはずです。
勝ち色は感覚を育てる
勝ち色は、スポーツ現場や教育現場、ビジネス、住環境など色んなライフシーンの中に徐々に浸透し始めて、結果や成績が良くなったり、気持ちが落ち着いたり、逆に前向きになれたり、体調が良くなったりといろんな事例が毎日のように届いてますが、勝ち色を使う人次第でその効果の感じ方はマチマチです。
その使う人によって効果の感じ方、捉え方が違うってことがすごく大事だと考えています。
勝ち色を使えば結果が出るというのは、大きな間違いです!勝ち色はそれだけを使えば良いという完璧なものではありません。勝ち色を使う人の本来持っている力を発揮させてくれるために背中を押してくれるサポート役です。
勝ち色が背中を押してくれるその力を受け取る力をしっかりと身に着けることが結果に結びつけるために必要なんです。
その受け取る力を養う、磨きをかけること。それが感覚を育てるということです。そして、その感覚を育てることこそ、本来の勝ち色の目的であり、勝ち色メソッドの基にもなっているFSEMが大切にしていることです。
感覚を育てたほうがいい理由
なぜ感覚を育てることが大事なのか?
それには2つの理由があります。
1つ目は、これまでにも何度かお伝えしてきてますが、私たちは一人ひとりが個性を持った違う人間だからです。わたしは私、あなたはあなた。というように人が違えば、何もかも受け取り方、捉え方は違います。同じ青色を見て落ち着くって人もいれば、そわそわして落ち着かないという人もいます。
が、一般的に赤は興奮する色、青は冷静の色、緑は癒しの色など、それぞれの色にそのような効果があるといわれています。事実、陸上部の学生を対象とした研究ではレンガ色より青色のほうが記録のバラツキが少なくなったり、野球でも最も投手が投げやすくコントロールがつくのかという実験を行ったところ、実験では茶色ではなく青色だという結果が出たりと、青が集中力を高めたり、パフォーマンスに良い影響を与えそうだということは裏付けされています。
しかし、大事なのはあなたやあなたのお子さん、指導している選手たち。その場で頑張っている一人ひとりです。
だからこそ、一般的に言われていることや裏付けされたことも大切にしながら、自分にとって、目の前にいる子供や選手自身が一番良いものを選べる力を身につけることが大切なです。
そして、2つ目の理由。
それは、昨日のあなたと今日のあなた、明日のあなたもまた別人ということです。
同じ人物でも、その日その日で体調や疲れ具合、故障していればその状態、メンタル面など、ずっと同じ状態であり続けることはありません。
すごく調子が良くて、何をやってもいい方向に行くと時もあれば、逆に調子が悪すぎて、何をやってもうまくいかないときもあったり、調子がいいのにうまくいかなかったり、調子はよくないのに結果的には良かったりとこんな経験はあると思います。
だからこそ、今日、今の自分にとって必要なもの、自分を強くしてくれるもの、自分が落ち着けるもの、自分が自信を持って臨めるもの、不安なく100%の本来の自分の力を発揮できるように選択できるようになることって大切です。
この2つの理由を解決できる力こそが、感覚の力です。
「自分の管理に勝ち色を使わなあかん!」
その感覚の力は、磨くことができ、どんどん研ぎ澄ますことができます。そうすることで、迷わず今日の自分にとって大切なものは何か、今の自分の本当の力を発揮させてくれる勝ち色は何かを見つけることができるようになります。
勝ち色指導員の司馬美正恵さんから届いた、7月13、14日にあったジュニアの水泳での試合での事例です。
参加した選手たちは、普段から勝ち色を練習中のドリルやメインメニューで使いながら、その時の自分にとって最高の泳ぎになるように工夫をしながら、日々取り組んでいるそうです。
大会当日もアップやレースで使い分けれるよう3から4色のゴーグルを各自持参して、自分のコンディションと感覚と相談しながらの色選びをして、ベストパフォーマンスを発揮するためのアップの時間を過ごしていたそうです。
「自分にとっての1カラは絶対の1カラではないよ!」と以前に選手たちには伝えていたそうで、アップが終わってから、小学校6年生の男子選手がこんなことを言って相談にきたそうです。
「コーチ!僕の1カラはピンクやけど、2カラのグリーンの方が今日はしっくり来るわ!もう一回アップにときに調べるけど、グリーンで行ってみるわ」
その彼がしっくり来ると判断した基準項目は、
1、飛び込みの反応が上手く出来ること。
2、飛んでから入水角度、水深がイメージにちかい。
3、浮き上がりの1ストロークが気持ちよく入れる。
だそうです。
1回目の判断はスタートでの判断だったので、2回目のアップでは泳ぎで判断して相談したいと言うことで、2回目アップを終えた後には、「ピンクがやっぱりいい。でもグリーンも悪くない。」
その彼の判断から50mはスタートで決まる!という事でグリーンで予選に挑んだそうです。
リアクションタイムは以前から良い選手で0.58~0.60が彼の平均です。予選0.50!!
驚きのタイムだったようです。
泳いで戻ってくるなり興奮して、彼はこんなことを言ったそうです。
「スローモーションやってん!スタートのピッがメチャゆっくりやったしな、空中でも自分がスローモーションやってな角度とかちゃんと出来てん!!こんなことってある?」
周りを気にする余裕があったと言い、ベストタイムタイで決勝へ進出。
その後の決勝では泳ぎのピンクを使うという選択をし、決勝はリアクションタイム0.56で予選よりも0.32遅くなってしまいました。スローモーションも無かったとのことです。
決勝レース後に「空回りしまくりで、たった50mなのにラスト7mでバテてしまった。1カラは常に1カラじゃない!ってコーチが言っていた意味が分かった。自分の管理に勝ち色は使わなあかんな」と言っていたそうです。
これこそが、感覚を育てたからこその言葉ですね。
その時、その瞬間にとって自分に必要なものを選択できる力。それが感覚の力です。
大切な感覚の共有
今回のスローモーションの話を、その選手が周りの選手にすると、「そこまででは無いけれど、何かわかるような気がする!」と他の選手も言っていたそうです。
この感覚の共有って、ものすごく大事です。アウトプットすることで、自分の感覚を自分が理解する。そして、周りの選手の感覚も聞くことで、その感覚を掴めない選手はヒントがもらえる。何より、お互いに認め合えたり、尊敬したり、切磋琢磨できる関係になる一生の宝物が見つけられそうですね。
あなたにとっての勝ち色は「価値色」
勝ち色はただ結果を求めるだけのツールではなく、本当に人生を変えてしまうくらいの力を持っていると思います。
あなたにとっての勝ち色は、これからの人生を大きく左右する価値色にきっとなります!
そのために大切なのは感覚の力。
うまく行く時もいかない時もあるかもしれない。だからこそ、まずは自分と向き合って、感覚を育てるということを大切にしてほしい。
大切な試合、大事なレース、結果を求められる大一番。緊張せずに、自分の本当の力を発揮するためには、練習量でも努力の方向性でも運でも相性でもなく、今の自分を信じられるかどうか。
日頃から勝ち色を使って、今日の自分、今の自分とほんのちょっとだけ向き合ってみる、身体の声を聞いてみる、会話してみることをやってみてください。きっと感覚は磨かれて、育っていきます。
まだまだやれるし、変われる^^
本当のあなたはもっとすごい!